先週末、欧州生活最後(人生最後というわけではないと思いますが)のショートトリップに出かけてきました。
さてはて。
僕がこの地を去るとき、なごり雪は降るのでしょうか。
スイス国内ではありますが、友人夫妻の案内で、友人の愛してやまない故郷の町シオンへ。
シオンにはこれと言ってアイコニックな観光名所があるわけではないのですが、趣のある旧市街の他に、町を見下ろす2つの丘があり、そこには城と教会が建っています。
あまり急がず、ゆっくりと観光しました。
非常にジブリーな形状の塔。
名前までジブリーで「魔女の塔」
伝説的にはスケアリーで、つまり魔女狩りで拷問が行われていたという曰く付き。
※韻を踏んでみましたがジブリーなんて形容詞は知りません。
元々は遠くに見える丘の上のお城から続く城壁で繋がっていたようで、日本のお城的表現に倣うと二ノ丸、三ノ丸といったところでしょうか。
この遠くのお城にえっちらおっちら登って、隣の丘の教会越しに崖下を臨むとこんな感じです。
教会側の丘に登り直して、またしても崖下を臨むとこんな感じです。
山に挟まれた土地で、結構広範囲におよび斜面という斜面にひたすらぶどう畑があるという土地。
しかしこれだけあるのに、日本へのスイスワインの輸入があんまりないという事実。
実はこのシオンを州都とするヴァレー州に住む人は、すべからくヴァレー州を世界一素晴らしい場所と考えているようなのです。
例え国境を越えてフランスなどに住んでいても、毎週末のように長い時間をかけてひたすら帰ってくるようです。
やんごとなき事情があって長期間帰れなかった日には、メンタル的に弱ると言いますからビックリです。
※広く統計をとったわけではないので、話半分程度でご理解ください。
かく言う私の友人も出来る限り毎週末、車で約2時間をかけて帰るとのことで、もはや、ある意味尊敬します。
そんなわけで、きっとワインの現地消費率がものすごく高いのではないかと推測しています。
ところでそんな場所へ旅行するにあたり、我が家としてもお世話になるわけですので、何か手土産でもと考えていました。
ところがこの選択が恐ろしく難しいことに気づきます。
スイス土産の三種の神器は、チーズ・ワイン・チョコレートです。
しかしこれら全て、ヴァレー州のものでなければダメだという可能性が高いわけです。
チョコレートならもしかして…と思いましたがリスクは否めません。
地元でヴァレー産のワインを買って持っていく、とも考えましたが、それじゃまるで東京駅で赤福を買って、伊勢の友人の土産にするようなものです。
結局熟考の末、ヴァレー州には絶対生えてなさそうなオリーブをば!ということで、僕のお気に入りのギリシャはクレタ産のオリーブオイルを贈りました。
※喜ばれたかどうかは全く不明です。
さて、このシオンの街の近くにサン・ベルナールという場所があります。
これはフランス語読みですが、英語の発音っぽく読みますと、セント・バーナード。
犬好きで勘の良い方はピンと来るかもしれません。
首からリキュールの入った小さな樽をさげ、雪山の遭難者を発見して助ける雪山救助犬。
実際に近代まで2000人以上救助したようですが、行き詰まった吹雪の中で大きな犬影、セント・バーナードの物語はこの場所で起こったそうです。
子供の頃には、ヨーロッパの方のどこかの山で起こったことと認識していたので、急に現実感が目覚め、妙に感慨深いものがあります。
「アレは、ココなのかっ」
ちなみに僕が頭の中でイメージする雪山と救助犬のセントバーナードは何故かアニメです。どうしてだろう。
さてはて。
こうして濃ゆい週末を過ごし、今週は少々疲れ気味でございます。
雪はまだ沢山残っていますが、天気、気候共になんとなく春に向かっているように感じます。
こうやってブログに書いてすぐ大雪が降ったことが以前ありましたが、ここで一つ今年初の演奏動画を。
僕がこの地を去るとき、なごり雪は降るのでしょうか。