2014年9月22日月曜日

指短し。ウクレレ選び再考。(演奏:戦場のメリークリスマス)

「僕は指が短いから」

言い訳です。何しろ僕より指が短いけれど、僕より上手にウクレレを弾く人などゴマンといますし。
ギターを弾く人ならゴセンマンはいるでしょうし。

ウクレレの仕様のせいにしてはいけません。
でもやっぱりもし新しいウクレレを買うとなったら、無視できないのが指板の上のフレット間の幅です。悲しい性なのです。

そのくせフレット間の幅について、ちゃんと説明してくれているウクレレサイトに巡り会わなかったので、しばらく前まで、それをどうやって判断すればよいか理解しておりませんでした。

なのにウクレレオーダーしたりするのだから、かなりお茶目なチャレンジャーだったよね、僕ったら。
なんて思ったりしますが、結果オーライです。

そのウクレレでこの通り必死に「戦場のメリークリスマス」を弾いてみました。キヨシ小林さんの「ウクレレシネマ」からです。


激しく必死感が漂っていますが、時を同じくして、すぐ隣りでWiiリモコンと言う名の剣で巨大なボスと戦っている勇者ヨメがおりました。

この場はまさしく戦場でございました。耳をすませば戦いの雑音、AボタンやBボタンの音が紛れてこんでいるかもしれません。すまさなくていいですが。

この曲の難しさは、下手くそな僕がガチで練習するとそりゃー近所迷惑なところです。
それから、隣りでガチで剣を振り回している勇者が、真剣になるとそりゃー真剣でおっかない点です。身も心もマジ勇者です。

さて、とりあえず身内ネタはセーブしまして、話をフレット間の幅に戻します。

ウクレレの仕様には、材質の他にソプラノやコンサート、テナーだとか、ロングネックだとか、12フレットジョイント、14フレットジョイントだとかいろいろとあります。

素敵!迷っちゃう!んです。
でも、そのお陰で、指板あたりのことが混乱してよくわからなくなってしまいます。

なかでも特にだまされやすいのがロングネックという言い方です。

まず何をもってロングネックなのか。明確に決まっていないのです。
よくある表記が下記です。

(1)ソプラノサイズのボディにコンサートサイズのネック
(2)ソプラノサイズ、通常12フレットジョイントのところを14フレットでジョイント

コンサートサイズのネックってどういう意味やねん!とりあえず長いのはわかるがっ!という憤りがフツフツと湧いてきますが、とりあえず保留。

そして、おもむろに質問です。

ソプラノロングネックとコンサートのフレット間の幅がどっちが広いかわかりますか?

12フレットジョイントのコンサートと14フレットジョイントのコンサートだったら?


引っ張らずに即答すると「わからない」です。知ってる知らないじゃなくて、それだけじゃ判断できないのです。

つまりそういう風に考えちゃったらアウトなんです。僕みたいに。
だって基本的にはこれらの仕様はフレット間の幅とは関係がないのです。知ってる人には当たり前で恐縮なのですが。

フレット間の幅を決めるのは弦長、つまりスケール。
音階の意味でのスケールではなくて、ナットからブリッジまでの距離です。


やっつけな画像加工ですが、これです。

製作の観点から見れば様々な微調整があるらしいですが、基本的にはこれだけです。

それで前述の『(1)ソプラノのボディにコンサートサイズのネック』ということを考えてみると、ソプラノサイズのボディに、コンサートサイズの弦長が実現できる長さのネックということです。たぶん。違ったら教えてください。

この考えに立つと、ソプラノロングネックとコンサートというのは、ボディサイズに違いがあるだけで、フレット間の幅は変わりませんよね。


ただスケールというのは、ソプラノがなんぼコンサートがなんぼと厳格に決まっていないようです。

試しにリットーミュージックさんのウクレレマガジンvol.11のウクレレバイヤーズガイドを参照して、各サイズ10本弱のウクレレたちを見てみると。

○スケール
ソプラノ : 342-352mm
コンサート : 380-410mm

上記のレンジに収まります。
ソプラノの10mmの差はそれほどでもないとは思いますが、コンサートの30mmの差は侮れませんよね。
何しろソプラノ最大スケールとコンサート最小スケールの差と変わりませんから。

※ちなみにウクレレマガジンでは異なるサイズのウクレレを見易いように写真サイズが合わせてあると思いますので、サイズ感の比較はできませんのでご注意。

これだけスケールがばらけているということは、つまり、とある製作家のソプラノロングネックが、別の製作家のコンサートよりもフレット間の幅が広い、ということが往々にしてあり得るということです。

なんとなく言葉の雰囲気にだまされちゃダメだということです。

なんとなく言葉の雰囲気にだまされて、知らないおじさんについて行ったり、「ヴィトン、シャネルアルヨーヤスイヨー」なんて片言の東洋人について行ったり、キャッチっぽい小綺麗なオネーサンに話しかけられて舞い上がってついて行ったらダメだってのと同じです。

疾走、いや、試奏すればほぼ問題ないことなのですが、人間の感覚はいい加減なものです。

さっきのウクレレショップのウクレレと比べてこっちの店のこのウクレレはどうかな?とか、この中からどれを試奏しよう?とか、オーダーするけどどうしよう?とか、チョイチョイ役に立つかもしれません。

もちろん弾きやすさというのは、フレット間の幅だけではなく、別の要因もいろいろとあります。
同じスケールでもモノによって様々な工夫がされていますので試奏が大切なのに変わりないと思います。

ちなみに僕の手持ちのウクレレは344mmのソプラノと389mmのソプラノロングネック(ボディも大きめなのでコンサートと言ってよし)ですが、今ウクレレを買うとしたら、スケールがその中間にあたる360mmのソプラノロングネックが気になります。

これは先ほど書いた『(2)ソプラノサイズ、通常12フレットジョイントのところを14フレットでジョイント』のイメージに近いです。
ソプラノをそのままのスケールで14フレットジョイントにするケースは製作上、需要上ほぼなさそうなので。


ところで。


「ウクレレを買うとしたら」


なんという甘美な響きでしょう。


「あまーーーーい!」


しかしながら、この360mmの神器を得るためには、ちまちまとゴールドを稼ぎ、Wiiリモコンの剣を振りかざす勇者を倒さなければなりません。


勇者の雄叫びが聞こえます。


「あまーーーーーい!」



追伸
坂本龍一さんの回復を願ってやみません。

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