2014年9月30日火曜日

夏の思い出 -ヴィトラ社-

いやはや、今年はスイスに夏なんてなかった!と言い切ってもいいくらいなんですが。
土曜の夜に我が家(標高1,000m)から、下界(標高500m)まで降臨しまして、湖畔の花火を満喫してきましたところ、どうやら夏の終わりっぽいような。



気温はともかく夏の終わりっぽい雰囲気満点なので、今年の夏っぽい期間の思い出を小出しに振り返ってみようかと思ってます。


夏の始まりは、地元からガタンゴトンと電車を乗り継いで、バーゼルという街に行きまして、そこからブーンと路線バスドライヴでちょびっとだけ国境を越えます、と。

ドイツ領にあるスイスの家具メーカー(ややこしい)のヴィトラ社の工場、兼、美術館、兼、展示場がございます。

このヴィトラ社は有名なところで申しますとチャールズ&レイ・イームズ夫妻に代表されるデザイナー家具ってやつを生産販売しておる会社でございます。

工場の屋外休憩所などに、イームズチェアが野ざらしでちっともありがたく無い感じで置いてあったりするところです。
デザイナー家具たちは元々お値段が張りますが、日本に入ってくると1弦をCにチューニングする位にビンビンに張ってしまうので、この扱いに非常に違和感を覚えてしまいます。
言うなれば、ハワイの木材業者の給湯室にあるまな板が3cm厚のグリッグリの5Aグレードのカーリーコアだと言う違和感です。
自分でも富沢タケシ並みに何言っているのかわからなくなってきましたが。

しかし僕の真の目的は、ここにある大変にユニークでデザイナーズな建物でした。
大物建築家の前衛的な建造物が多いです。全部見るには工場敷地内へのツアーに参加必須です。

では、語るより見るが易しっということで。






この建物は消防署なのですが、日本ともゆかりの深い、新国立競技場のコンペ勝者のザハさんの設計です。
彼女の設計はなかなか形になりませんでしたが、はじめて形になったのが、この消防署なのです。
ちなみにあくまでプライベートな消防署です。以前ここの工場の1棟が派手に焼け落ちたので作ったのですが、今はその機能はないようです。


焼け落ちた後にできた新工場。
日本人建築家ユニットの作で、工場のイメージと対極を行く円形の建物です。
写真ではわかりにくいですが、外壁はカーテンのような緩いウェーヴ状のアクリル板で覆われています。



そして、ザハ案を最終的に決定したという安藤忠雄氏の作品もございます。セミナーハウスです。
この写真じゃ全くわかりませんが、ザッハリ、いえ、ザックリ申し上げますと非常に良かったです。

なかなかに因縁を感じる場所です。新国立競技場を巡って様々な議論がありますので、いろいろと思うところがありました。


いくらなんでもザッハリはちょっと厳しかった、とか(猛省)。



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