2014年10月1日水曜日

弦交換までの回り道

僕が夜な夜なウクレレを抱えて、2フィンガーのピッキングを練習している頃。香港では大規模なデモが起こっていました。



1フィンガーと2フィンガーのいいとこ取りが僕には一番向いている、と結論づけた頃。香港では全く結論が出ておりませんでした。

あの膨大な人数での占拠が行われている頃。僕の知人はその上のビルで普通通り働いていたそうです。

中国の抱える矛盾。香港。
僕のピッキングより難解。香港。

 少し前に読んだ浅田次郎の小説の記述に、香港をイギリスに約100年間貸す決断をした人物は、他国(イギリス)の投資で最終的に自国を富ませるという策を揮った、というのがあります。
若干うる覚えな上に、フィクションの小説なのでガチで受け止めるわけにはいきませんが、もし仮にそうであるなら、この策はそう上手くいきそうもありませんね。
本来は中国だった。でも100年はあまりに長過ぎたと。

そう言えばこれも聞きかじった話ですが、日本の歴史にて江戸時代は、島原の乱以降250年間、キリスト教は徹底的に禁止でした。踏み絵ですとか。懐かしいですね、義務教育のお勉強。

ただ、ご存知の通り隠れキリシタンは存在し、秘密裡に250年間信仰が保たれていたそうです。
ところが250年をかけて日本文化の中だけで発展したキリスト教は、実際に禁教が解けて再来した本家のキリスト教と異なっており、本家のキリスト教の教えをよしとしない人もいたそうです。

なるほど。

ヒトの想いと言うのは、たとえ意図しなくても、時間をかけて世代を継いで紡がれていくものなんですな。

良きにしろ悪しきにしろ。
曲がるにしろ捻れるにしろ真っ直ぐにしろ。

そういう意味では僕がウクレレをジャンジャカ弾いているのも紡がれた糸のようなものの上にあるのでしょうか。
せいぜい産毛の枝毛レベルの繊維でしょうが。

ポルトガルの島から渡って来た楽器ブラギーニャに、鉄弦でなく手近な釣り糸を張ったハワイアン。
そのハワイの環境に合わせた素朴で合理的な手法はいつしかハワイの音となり。

百数十年後、今や世界中に。
回り回ってスイスの山奥にも。

そして僕はそのウクレレに現代の釣り糸を張るという。

弦交換しました。
いつもの通りWorthのフロロカーボン弦でございます。

0 件のコメント:

コメントを投稿