夏の思い出
バーゼルでの予定のもう一つが、「バーゼルタトゥー」と呼ばれるミリタリー音楽の祭典でした。
奇しくも、日本が憲法九条の解釈で揺れている頃でしたので、複雑と言えば複雑な。
そんな気持ちをガッツリ徴兵制度のあるココまで持ってくる必要はなかったのですが、イガイガの心を反映してか、何やらお空も荒れ模様。
オープンエア、縦長のスタンドで観覧するイベントなので雨は困ります。手のひらに「雨」の字を10回書いて飲んで見ましたがダメでした。
飲兵衛でもとても飲みきれぬ、と。
夜の部のチケットだったので、ホテルから出発。
行きがけは「結構降ってきたね。」程度だったのですが、会場に到着し、座席を探す頃には、文句なしの土砂降り。
無料配布されていた雨除けのポンチョを受け取ってすぐ、今度は土砂降りを超えるド級の土砂降りが襲いかかって来ました。ド土砂降り。
そう言えば、「ド級」の「ド」の由来をご存知ですか?
約100年前、当時革新的だった英国の戦艦「ドレッドノート」の「ド」だそうです。僕もココ1年以内に知ったので偉そうには申しませんが。
この艦の登場でそれ以前の設計のものが全て旧式になったほどのインパクトがあったようで、特徴の一つとして、サイズが従来より長くて大きい、と。
ド級なサイズ。これを超えると超ド級。
なるほど。
そしてその後、C.F.マーティン社が既存のものより大きいギターをリリースしたときに「ギター界のドレッドノートや〜っ!」ということになり、この「ドレッドノート」呼称が定着したようです。
最近のあのグルメレポーターの方はドレッドノートどころではない体型になっておられるようですが。
そしてこのギターのドレッドノートのフォルムをウクレレに仕立てる日本人製作家の人もチラホラいらっしゃるようで。
ド、ド級ウクレレ!?
大きいんだか小さいんだかですが、大きいものを見ると小さくしてしまいたくなるのが日本人の本能ですから致し方ありません。きっともう、遺伝子レベル。でも。。。
小さくまとまるなよ!!!
で、何の話でしたっけ?
そうです。雨です。バーゼルタトゥーです。
ド土砂降りの中、席に着き、なるべく雨が流入しないようにポンチョをセッティングをすると、もはや石像のように動けません。
カメラもスマホも持ってきましたが、出すなんてとんでもない!
会場では雨の弱まった終盤を除いて、一度たりともフラッシュは光りませんでした。大空のフラッシュは何度もありましたが。
「雨か、嫌だな〜。」というレベルではなく、「なんじゃこれ、あり得ん〜!!」とテンションすらあがっていくような。
公園で遊んでいて、池に右足だけハマるとその後気持ち悪くて仕方ありませんが、全身で落ちるともう何もかもどうでも良くなって、むしろ楽しくなっていくあの感じです。
こんな状態ですから、ホントにやるのだろうかと思っていましたが、そこはやはり軍楽隊です。
「雨なんて1ミリも降ってないよ」な風よろしく、時間通り、表情一つ変えず、何事もなかったように始まりました。
管楽器が多いので、このド土砂降りの中でコントロールするのは大変だったに違いなく。
軍楽隊だけでなく各国の一般のパフォーマンス集団も出演するので、濡れた路面で足技のダンスするのは難しいに違いなく。
エレキギター!?感電しない?あ、傘さしてる!だとか。
土砂降り地蔵の僕たちでしたが、演者のメンタリティやプロ意識という楽しみのオプションが増え、結果的に満足でした。結果的にズブ濡れでしたけど。
かなりしつこいですが、なにしろもうずっと土砂降り。土砂降りってこんなに続くんだと感心するくらいに。
もし「オレたちひょうきん族」〜30分拡大版スペシャル〜があったとしたら、最初の7、80分がずっと「ひょうきん懺悔室」だった。というような・・・。
『×』
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